薬屋、シアトルに移住する

アメリカで薬剤師になるべく奮闘中の日本人薬剤師の日々を綴ります。アメリカで買える便利な市販薬のこととか、英語のこととか。

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アメリカで買える便利な市販薬 ー痛み止め編ー

頭痛・生理痛・歯痛・関節痛など、 いざという時の解熱鎮痛薬を紹介したいと思います。ほとんどがNSAIDsです。

NSAIDsについては過去記事参照

kusuriya-us.hatenablog.com

 

さてここで残念なお知らせですが、みんな大好きロキソニンはアメリカでは売られていません。日本では大人気なのですが、第〇三共さんのやる気がないのか、イブプロフェンで市場が飽和しているのか、世界的に売られている国はあまり多くないようです。確かにイブプロフェンと比べてものすごく突出した魅力がある訳ではないので、もうすでにイブプロフェンが確立しているところに売り出すのは難しいのかも。私も十分代用可能だと思います。

 

それではそれぞれ見ていきましょう!

 

 

イブプロフェン(ibuprofen) 

主な商品名:Advil, Mortin

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ロキソニンからの切り替えでしたらこちらが一番近いと思います。効き始めはロキソニンより少し時間がかかりますが、どちらも腎排泄で副作用の発現頻度もそんなに変わりありません。

ちなみに日米の値段も比較してみました。どちらもイブプロフェン単体の製品、ネットでの最安値を比較。

 

日本 150mg 24錠入り 370円
アメリカ 200mg 100錠入り $3.28

$1=120円として計算すると、日本では1錠15.42円、アメリカでは1錠3.94円。さらに規格が違うので200mgに換算すると、日本:20.50円アメリカ:3.94円。アメリカではざっくり5分の1のお値段で購入できるわけですね。というわけでロキソニン信者のみなさま、無理して日本から大量に持ってこなくても大丈夫そうですよ。私も渡米するとき持ってきましたけどね。笑

 

 

アセトアミノフェン(Acetaminophen)

Tylenol

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日本では鎮痛より解熱目的で使われることが多いかもしれません。

痛み止めとしては何だかぱっとしないイメージがあるかもしれませんが、アメリカではけっこう大人気です。というのも、少し前に変更されたのですが、日本ではだいぶ低用量の使用しか認められていなかったんですよね。処方箋ありでも一日最大1500mgでした(アメリカでは最大4000mg)。いくら体格差や代謝酵素が違うといっても、これはさすがに弱気すぎでしたね。しっかり量をとれば痛みにもきちんと聞きます。

解熱鎮痛薬には珍しい肝代謝の薬です。腎臓に問題のある方、小児にも安全に使用できますが、お酒の併用は控えましょう。

抗炎症効果はありませんので、赤く腫れて痛む歯痛や外傷の痛みにはあまり向かないかもしれません。

インフルエンザの時はアセトアミノフェンの使用が安全と言われています。

 

ナプロキセン(Naproxen)

Aleve, Naprosyn

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日本では処方箋の必要な薬ですが、アメリカでは市販で買うことができます。

鎮痛効果は強いです。イブプロフェンで効かない痛みに使ってみるのも良いでしょう。効果持続時間が長く、一日2回の投与で十分効き目が持続します。他のNSAIDs同様胃腸障害やアスピリン喘息誘発の可能性があります。

 

アスピリン(aspirin)

Bayer aspirin

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日本では、高用量アスピリンは市販で買えますが、低用量アスピリンは処方箋が必要です。え、多い量なら買えるの?逆じゃなくて??と思うかもしれませんが、というのも、低用量アスピリンは鎮痛目的ではなく抗血小板作用目的(血液をサラサラにする)で使用するものなのです。

血液をサラサラにすると聞くと聞こえは良いですが、出血傾向が表れやすいということでハイリスクになりますので、日本では要処方箋の薬なのです。

ただし最近の研究では高用量でも抗血小板作用が見られることがあるとのことで、服用中は出血傾向(鼻血や便潜血、覚えのない青あざなど)に注意することが必要です。

 

主な商品名と用法用量を以下にまとめてみました。

目的によって用量には差がありますので、参考程度にしてくださいね。

  主な商品名(日) 主な商品名(米) 用法用量(日) 用法用量(米)
イブプロフェン
ibuprofen
イブ Advil
Mortin
200mg/回 1日3回
(市販は150mg錠が多い)
200-400mg/回 4-6時間あけて
最大1200m/日(処方箋ありでは3200mg/日)
アセトアミノフェン
acetaminophen
コカール
カロナール
Tylenol 300mg/回 4-6時間あけて
最大900mg/日(市販薬の場合)
325-1000mg/回 4-6時間あけて
最大4000mg/日
ナプロキセン
naproxen
ナイキサン Aleve
Naprosyn
300-600mgを2-3回に分けて 220mg/回 8-12時間あけて
最大660mg/日
アスピリン
aspirin
バファリン Bayer aspirin 500-1500mg/回  1日2回まで 300-650mg/回 4-6時間あけて
最大4000mg/日