アメリカで買える便利な市販薬 ー基本編ー
さて、前述のように複雑なアメリカの医療制度。
そんな中で発達したのがOTCと呼ばれる市販薬。
当然といえば当然ですよね、医者に行くのにも薬をもらうにもあの複雑な保険。うっかり転職中の保険のない時期にでも医者に行こうもんなら、とんでもない額を請求されます。ちょっとしたことだったら医者に行かず自分で何とかしよう、という人が出てくるのも頷けます。
そんな背景もあり、アメリカの市販薬は日本よりずっと安く種類も豊富なのです。日本では処方箋が必要な薬もアメリカではさくっとスーパーで買えたりします(スーパーに大体薬局入ってるからね)。
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OTCとは
ではまずはじめに基本的な情報を。市販薬、つまり処方箋なしで買える薬をOTC(Over the counterの略)と呼びます。種類としては風邪薬、解熱鎮痛薬、抗アレルギー薬など日常的な健康障害に対する薬があります。基本的に対症療法、つまり病気そのものを治す薬ではなく症状を一時的に抑えるタイプの薬がほとんどです。
Behind the counterと呼ばれる薬もあり、こちらは乱用防止のため月に買える量が決まっている鼻づまりの薬Sudafedや、緊急避妊薬PlanBなどが含まれます。こちらは大体薬局の中に置いてありますが、処方箋はなしで買えますので薬局の人に声をかけましょう。
ブランド名(Brand name)とジェネリック名(Generic name)
薬の話をするとき、ブランド(先発医薬品)名を使うときとジェネリック(後発医薬品)名を使うときがあります。
ブランド名とはその名の通り商品の名前。薬の有効成分を各製薬会社がカプセルにしたりシロップにしたり加工して、売り出すために付けた名前がブランド名です。
一方ジェネリック名は成分名もしくは一般名と言われ、薬の有効成分の名前です。これは国によって異なるブランド名と違い、世界共通です。
ジェネリック医薬品(後発医薬品)というのはすでに認可・販売されている有効成分を使用して作られた薬のことで、短期間で販売までこぎつけられることで安価での販売が可能になります。同じ薬なのに値段が安いのは、すでに販売されている薬と同じ有効成分を使うため、人体への安全性はすでに保障されており、新薬発売のときに必要な試験を繰り返す必要がないからです。
ブランドとジェネリックでは添加物の違いはありますが、有効成分は同じものであり、特に市販薬の場合ほとんど効果に差はありません。でんぷんやゼラチンなどといった添加物にアレルギーがある、といった場合を除けばジェネリックを選んで問題ないと思います。
ただ薬の開発にはご存知の通り莫大な費用がかかるため、特許期間というジェネリック医薬品を開発・販売してはいけない期間が定められています。これだないと新薬開発する会社が常に赤字になっちゃいますからね。
薬を買うとき気を付けること
ジェネリック、ブランド、どちらを買ってもらっても良いんですけど、ブランド名の薬はその有名なネームバリューを利用するため、いろいろと細かな違いを作って種類豊富に売り出してきます。これがね、とっても分かりにくいんです。
どういうことかと言いますと、Tylenol(タイレノール)と呼ばれる超有名な消炎鎮痛薬OTCがあります。ジェネリック名はAcetaminophen(アセトアミノフェン)です。ではここで、以下のリンクをご覧ください。
これね、全部Tylenol。みんなAcetaminophenは入ってるんですよ、ただ薬の規格(325mgだったり500mgだったり)が違ったり、作用時間が違ったり、抗アレルギーの薬を入れて少し眠くなるようにしたものにTylenolPMって名前つけたりとそれぞれ違いがあります。これ、頭痛いときずらーっと全部スーパーの棚に並んでるんですよ。めげるでしょ。
このパッケージに惑わされずにこれや!と選ぶ方法は次回説明しますのでご心配なく。