薬屋、シアトルに移住する

アメリカで薬剤師になるべく奮闘中の日本人薬剤師の日々を綴ります。アメリカで買える便利な市販薬のこととか、英語のこととか。

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アメリカの薬学部共通入試、PCAT対策法

アメリカで薬学部に行きたいと思っている方に必要になってくるPharmacy College Admission Test (PCAT)。受験のときになかなか情報収集が難しかったので、記録として残しておこうと思います。

 

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PCATとは?

薬学部限定センター試験のようなものです。すべての学校に必須ではなく、学校独自の試験を課すところもあります。が、ほとんどの学校がこのスコアを受け付けているので、このスコア一つでいくつもの薬学部に申し込むことができます。

これの良いところは、スケジュールがフレキシブルであること。6月、10月、11月、1月の4回に渡って、それぞれ2、3日ずつ行われるので、自分で好きな日付を選んで受験することができます。ほとんどの受験生が6月に受験しますが、そこでの点数が良くなければ10月に再挑戦することができるのです。受験料は$199。

PCATの構造

数年前に大きな改定があったそうですが、私が受験した2017年の情報では以下の通りです。

Writing (30 mins) - - - 1問

エッセイ。医療系、生物系のお題に対し、問題点と解決策を述べよというスタイルです。30分以内に説得力のあるエッセイを書き上げ高得点をとるのはなかなか難しいです。私は学校の入試担当者と話した時の、留学生の場合は化学と生物の点数をメインにみるとの言葉を真に受け、ろくに対策もせずまんまとひどい点数をとりました。笑

ただエッセイスキルはずっと必要になってくると思うので、時間に余裕がある場合は訓練しておいて損はないと思います。

Biological Processes (40 mins) - - - 48問

生物。一般生物、微生物、解剖生理が範囲です。長文を読ませて関連する質問に答えさせる、リーディングの要素も入ってくるので、しっかり基本をおさえておかないと混乱します。解剖生理のパートは実用的な問題が多いので、実務経験があれば役立つと思います。

Chemical Processes (40 mins) - - - 48問

化学。英語のディスアドバンテージをあまり気にしなくてすむカテゴリです。一般化学、有機化学、生化学が範囲。大学一年のときにさんざんやるIUPAC命名法などが出てきます。あのとき英語で教えておいてくれていて本当にありがとう、と思います。

Critical Reading (50 mins) - - - 48問

内容も質問もそこまで難しくないのですが、なんといっても量が多いです。大問が6問ほどあり、それぞれ8問ずつ質問が課されます。英語ネイティブに比べるとどうしても読む速度が遅いので、すべてをしっかり読んでいる時間はありません。医療など自分の詳しい分野になると正答率がぐんと上がっていたので、下地になる知識があると良いと思います。

Quantitative Reasoning (45 mins) - - - 48問

これは一番簡単に点のとれるカテゴリです。日本の高校、ものによっては中学レベルだと思います。少し英単語を習い、高校数学を復習すれば満点近くとれます。ただこれも時間に対して質問数が多いので、計算に時間のかかる問題にハマってしまうと最後までたどり着けなくなります。どの問題も点数は同じなので、時間のかかりそうなものはいっそとばしてしまうこともコツの一つです。満点をとる必要は全くありませんので。

 

スコア基準

Writingのみスコアは1-6、その他はカテゴリごとに200-600のスコアがつきます。

スコアをベースにパーセンタイル値と呼ばれる、受験者のうち自分が何%の位置にいるかが算出されるのですが、こちらを目安として使うことが多いです。

大体400点とると50%430点で90%と言われています。80%とれればどこの薬学部でも書類で落ちることは少ないと言われています。エッセイや経験なども加味されるので絶対ではありませんが。。

 

おすすめ教材

公式ウェブサイト

PCAT公式がPractice testをオンライン上で販売しています。これは本番の形式必ずやっておいた方が良いと思います。Study Guideも同時に購入できますが、これはほとんど下でのべる本で網羅されており、あんまり役に立たなかった印象です。

Kaplan

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PCAT Strategies, Practice & Reviewという本があり、これをまるっと一周やるとだいぶつかめます。私は図書館で借りました。アメリカの図書館は更新すると何ヶ月か借りていられるので、買わないですませました。Practice Testが2回分ついてくるので、ウェブサイトに行きキーコードを入力すると本番さながらの模試が受けられます。

 

Kaplanは定期的にイベントをやっており、1回だけですが模試も無料で受けさせてくれます。模試のあとに復習・解説の時間もあり、自分の受けた結果も2週間ほど無料で閲覧できます。きちんと授業を受けるにはなかなかお高いのですが、これでしっかりやれば本当に良い点数とれるだろうな、とは思いました。薬剤師国家試験のときの薬ゼミのような存在だと思います。

 

というわけで需要はあまりないかもしれませんが、PCATの受験記録でした!