薬屋、シアトルに移住する

アメリカで薬剤師になるべく奮闘中の日本人薬剤師の日々を綴ります。アメリカで買える便利な市販薬のこととか、英語のこととか。

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アメリカの医療機関での言語事情

半年ほど前に職場を異動したのですが、今の職場は国際色豊かで、スタッフの大部分が二か国語以上を話します。薬局だけでもスペイン語・ベトナム語・広東語・北京語・カンボジア語・タガログ語・韓国語・日本語(私)を話すスタッフがいます。ワシントン州はばっちり青い州なので、移民にやさしいですし国際結婚だったり英語が母国語でも第二外国語を学ぼうとする人も多いです。

ちなみに青い州の意味を知らない方にはこちらが分かりやすくおすすめです。

青い州、赤い州(前編) – アメリカで10倍うまく立ち回る方法

 

さて、たまたまその言語を話すスタッフがいなくても、アメリカの医療機関ではほとんどの場合通訳のサービスが無料で受けられます。たしかある程度の大きさになると、通訳のサービスを保障しなければいけない決まりがワシントン州にはあったはず。手話を含む80以上の言語がカバーされています。そんな通訳サービスをちょっと紹介したいと思います。

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対人通訳

たまたまその言語を話すスタッフがいればさっさと呼んでもらえて手っ取り早いですが、そこは運です。ものすごく日本人の多い地域などでない限り、日本語の通訳さんが病院に常駐、というのは少ないと思います。どうしても通訳さんに対人でついていてもらいたいときはあらかじめ連絡が必要です。自分で有料の医療通訳を探して頼むことももちろんできますが、病院で無料で用意してくれることもあるのでまずは予約のときに聞いてみると良いと思います。

 

ビデオ通訳

手話の場合はこちら。他言語との通訳で使用する場合もあります。普段立ち上げないパソコンを使うので少しセットアップに時間がかかりますが、顔が見られるのは良いですよね。患者さんには無料ですが、使用すると分単位でかなりのお金が(クリニック側に)かかるので必要最低限にするようにという内部事情。

 

電話通訳

通訳サービスのメインがこちら。薬局ではほとんどこれだと思います。電話をかけ、それぞれの施設固有のIDとPINナンバーを入力、必要言語を伝え、準備ができると電話越しに通訳さんが話しはじめます。大体の場合スピーカーフォンにして交互に話しますが、プライバシーが気になる場合は順番に話してもかまいません。24時間かなりの言語が対応していますので非常に便利です。

 

文書

大体理解できたけど後々のために文書で説明書が欲しい場合、希望言語を伝えれば説明書を印刷してもらえます。これは印刷する側も言語を選んでクリックするだけで簡単なのでどんどん頼みましょう。

 

患者さんのそれぞれのカルテにはlanguageの欄もあり、初回に選んだ希望使用言語が表示されます。出来れば母国語が良いけど英語でもまぁ大丈夫という方も多いため、とりあえず英語で話し始め、希望があれば、もしくはコミュニケーションが無理そうなら通訳に電話するという流れです。患者さんの中には自分で辞書やGoogle翻訳のようなものを使用して見せてきてくれる方もいます。それでももちろん大丈夫。

 

日本で薬剤師をしていたときは複数の言語で食前や食後、副作用などが書かれた本があり、該当するものに丸を付けたりして筆談のように服薬指導をしていました。一応簡単な説明はできますが、相手からの質問に答えるのは難しいですよね。該当する言語を探して、コピーをとって、という手間もかかりますし。日本は母語が日本語以外の人の割合が圧倒的に少ないので納得ではありますが、おもてなし大国日本としてはもうちょっとカバーできたらなぁ、と思うところです。最近は英語以外を話す方の数も増えてきていることですし、病院や薬局のサービスもまた違うのでしょうか。はたまた私の働いているところが田舎だっただけで、都会ではそんなサービス当たり前だったりするのでしょうか。笑 現役医療関係者の方いらっしゃったらぜひ教えてください。