薬屋、シアトルに移住する

アメリカで薬剤師になるべく奮闘中の日本人薬剤師の日々を綴ります。アメリカで買える便利な市販薬のこととか、英語のこととか。

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ファーマシーテクニシャンとして海外インターンシップをする方法

州によって多少違うのですが、アメリカでファーマシーテクニシャンとして働くためにはCertificateと呼ばれる資格を持っている必要があります。

 

その受験資格を得るためには1年間学校に行って単位をとるのが一般的ですが、海外で薬学部を卒業している場合はTOEFLの点数さえあればほとんどの単位は免除されます。

ただ、どちらの場合も520時間の無給インターンシップをすることが必須です。

 

ということで私は学校に行く必要はなかったのですが、いきなりインターンシップに行っても英語力的に無謀だろう、と思ったことと、OPTとして有給で働ける資格が欲しかったので1年間学校へ行くことを選びました。

それでは、インターンシップを始めるまでのステップを紹介してみたいと思います。 

 

 

 

単位をすべて取得する

インターンシップは授業の一環として行われ、必要な単位を9割方とり終えないとインターンにすすむことができません。事前の説明では必要な単位がそろったところで学部長のサインをもらう、とのことでしたが蓋を開けてみたらそんなものはなかった。てきとーやなー。

 

アシスタントライセンスをとる

薬局で働くためにはファーマシーアシスタントのライセンスを持っていなければいけません。ただこれは申し込みさえすればほぼ全員がとれる、簡単なものです。アプリケーションと手数料を郵送し、待ちます。私の場合はソーシャルセキュリティー番号(SSN)を持っておらず、その説明なども送らなければならないため更に時間がかかりました。うちの学校ではギリギリになるまでこのライセンスが必要だと教えてもらえず、これが間に合わずにインターン開始時期を遅らせなければいけなくなりました。これは薬局で働くのに必ず必要になってきますので、早め早めに申し込んでおくことをおすすめします。

 

ワクチン接種をする

まずは血液検査でtiterと呼ばれる抗体の血中濃度測定を行います。仮にすべてのワクチンを過去に打っていたとしても、それが今も有効であると示す2年以内の書類提出が必要なので、日本で5年前に打ちました、という記録だけではだめなのです。項目はTB(結核用ツベルクリン検査), Tetanus-Diphtheria(破傷風、ジフテリア), Polio(ポリオ), Measles(麻疹), Mumps(おたふく), Rubella(風疹), Hepatitis B(B型肝炎), Influenza(インフルエンザ), Varicella(水疱瘡)です。抗体が一定レベル以上あればOK、未満ならその分だけワクチンの追加接種です。私は全部ワクチンは接種済または罹患済だったのですが、いくつか陰性になってしまっていたのでMMRと呼ばれる3種混合のワクチンを受けました。

 

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リストはこんな感じです

このうちB型肝炎は間を開けて3連の注射が必要になってくるので陰性だとだいぶ時間を食います、ご注意を。私はこの3連×2回ほどやったことがあるのですが、それでもこのとき陰性になってしまいました。免疫がんばりすぎ。

TB Skin testだけは陰性でないといけないのですが、BCG(いわゆるはんこ注射)接種歴があると擬陽性になったりします。アメリカではBCG注射が一般的でないため陽性になると結核かと疑われギョっとされます。私は効果が切れていたらしく陰性でした。

留学生の健康保険ではワクチンはほぼカバーされないので、自費になってしまいます。でも病院によってけっこう値段が違うので、電話かけまくって安いところを探すことをおすすめします。どれだけ追加ワクチンが必要かで費用が変わってきますので、日本に帰る機会があるなら打ってから来るのも手です。私の場合は総じて$200くらいかかった気がします。

 

これは留学生には使えないちょっとした裏技なのですが、医療関係の職は総じてなかなか良い医療保険に入れます。なのでもし何らかの理由でアメリカで労働許可を持っているのなら、とりあえずアシスタントでも受付でも何でも良いので病院やクリニックなどで仕事をゲットすると、そのへんの費用が全部カバーされるのでお得です。

私はテクニシャンとして採用が決まったときにこの項目の再確認が必要で、採血と足りなかったインフルエンザワクチンを追加で受けなければいけなかったのですが、すべて無料でした。

 

インターンシップ先を探す

私の場合は学校側に希望を出すだけで学校がインターン先を用意してくれたので、自分では何もする必要がありませんでした。

自分で探す場合、無給の場合は就職よりは簡単だと思いますが、それでもきちんとResumeを送って面接をするところが多いと思います。インターン後は就活になることがほとんどだと思うので、Resumeとカバーレターはしっかり用意して英語ネイティブに目を通してもらうと良いと思います。

 

担当者にあいさつしてインターン開始!

学校からManagerの名前と電話番号をもらい、開始時期やスケジュールはそれぞれで相談してね、という自由な感じでした。

インターン中は週1で授業があったので、週4で8時間ずつ働くことにしました。520時間を学期中に終わらせさえすればスケジュールは自由なので、仕事をしながら土日にがっつりタイプの人もいれば、半日ずつゆるーくの人もいました。

週32時間は割と早めのペースだったようで、学期の早めに終わり、テクニシャンの試験に向けて勉強するまとまった時間がとれました。

 

インターン始めてからは主に英語とシステムの違いで大変でしたが、スタッフのみなさんが良い人たちばっかりで、今でも仲良くさせてもらっています。就活の時に推薦状を書いてもらったりもしました。楽しかったなぁ。

 

インターン内容についてはまた今度。ではでは。