薬屋、シアトルに移住する

アメリカで薬剤師になるべく奮闘中の日本人薬剤師の日々を綴ります。アメリカで買える便利な市販薬のこととか、英語のこととか。

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アメリカで婦人科検診に行ってきた ー 予防医療への取り組み

アメリカの医療保険についてはさんざんこのブログで悪口書いてきましたが、笑

kusuriya-us.hatenablog.com

 実はアメリカの保険医療にも良いところがあるんです!

それが予防医療への取り組み

超合理的な国アメリカ。医療費削減のためにはみんなに病気にならないでほしい、ということで病気を事前に防ぐための予防医療にはどんどんお金を出してくれるのです。ただし、日本の会社で行われる健診のように半強制的に手配はしてくれませんので、自分で予約を入れて能動的に動く必要があります。

 

無料で受けられる予防医療

もちろん保険の種類によって多少違いますが、以下は私の加入している保険でカバーされる一例です。

  • blood pressure screening for all adults(血圧)
  • cholesterol screening(コレステロール)
  • colorectal cancer screening for adults over 50(大腸がん検診)
  • type 2 diabetes screening for adults with high blood pressure(糖尿病検査)
  • mammograms every one to two years for women over 40(マンモグラフィー)
  • cervical cancer screening for sexually active women(子宮頸がん検診)
  • osteoporosis screening for women over 60, depending on risk factors(骨粗しょう症検査)
  • immunizations (ワクチン)
  • obesity screening and counseling(肥満検診とカウンセリング) 
  • FDA-approved medications for tabacco cessation(禁煙用カウンセリングと薬)

これらは診察料も手数料も薬代もすべてカバーされます。禁煙用のニコチンパッチ避妊目的の低用量ピルも予防とみなされ、ほとんどの場合無料です。ただし年齢や性別がリスクファクターごとに設定されていますので、まだ20代だけど骨粗しょう症の検査がしたい!などといった場合は自己負担になります。また短期の学生保険や海外旅行保険などの場合はおそらくカバーされないと思いますので、日本より高額になってしまうかと思います。保険内容の中の”Preventive Health”の項に書いてありますので確認しましょう。

 

病院の予約~検診までの流れ

さて、今日は子宮頸がんの検診に行ってきたので大体の流れをちょっとご紹介したいと思います。私の使用する病院の場合ですので、詳細はそれぞれ違うと思いますが参考までにどうぞ。

予約

電話やオンラインで予約を入れます。

ちなみに検診で予約をとるときにはPreventive Healthとして予約する必要があります。通常の予約と違って緊急性がないので予約は数週間先になりがちですが、Office visit copayと呼ばれる診察料を支払う必要がありません。

予約をしたとき、予約の一週間前、2日前とリマインダーのメールや電話が計3回くらい来ます。どんだけ忘れやすいんだアメリカ人。

チェックイン

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予約時間の15分前には着くようにします。

着いたらまずチェックイン。到着したことを知らせます。マシン(Kioskと呼びます)でもできますし、カウンターでやってもらうこともできます。Copayの支払いが必要なときはここで先払い。マシンの場合はクレジットカードをスライドさせて支払い、備え付きのパッドに電子サインをします。チェックインが終わると、この場所でお待ちください、的な地図が表示されますのでそれに従って診察室の前で待ちます。

廊下~待合室はこんな感じ。

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診察室まで移動

待合室で待っていると、MA(Medical Assistant)が名前を呼びに来てくれます。このメディカルアシスタント、日本で一番近いのは准看護師でしょうか、、少し事務よりの看護師のような存在です。

How are you? How's your day going?などとスモールトークをしながら移動する途中で身長・体重を測り、診察室に入ります。診察室(個室)で体温・血圧などのチェック。来院目的や今服用している薬、アレルギーなども確認します。

それらが終わると「じゃあ先生もうすぐ来るから」と言って去っていきます。初めてのときはさんざん症状など事細かに喋ったあとだったので、あんた医者じゃなかったんかーい!とツッコみたくなりました。

診察

検査によってはここで用意されたガウンに着替えます。私はばっちり前後逆に着て、大丈夫よみんな間違えるから、とフォローされました。後ろでひも結ぼうとしたら手が届かなかったんです。。笑

待つこと数分、医師がにこやかに現れます。来院目的を再確認、前回診察から時間があいているときは服用薬など情報のアップデートをします。今回はPreventive health visitということで食事や運動習慣、家庭環境、仕事、ストレスなどについても聞かれました。精神・身体両面での健康確認、という感じです。

お話のあとは検査。子宮頸がん検査で一番一般的なPap smearと呼ばれる検査です。内容については省略しますが、興味のある方は検索していただければ分かりやすい図が出てきます。痛みはほぼありません。

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診察後

一通り終わると、検査結果がどう知らされるのか、何日程度かかるのかを教えてくれ、質問があるか聞かれます。いろいろ気になることは確認し、質問が終わるとHave a good day!と言い残しさっそうと去っていきます。

その去り際の良さに感動しつつ診察室でいそいそと着替えます。診察後支払いも何もないので本当に帰っていいのかな、、??と不安になりますが、特に他にやることはありません。診察室に案内してくれたMAもほとんどの場合戻ってきませんので、質問は医師がいなくなる前にすべてしましょう。

特に次のステップについて(再診察の必要性有無、検査結果の確認方法など)、処方薬について(何の薬が何種類か、処方薬か市販薬か)はしっかり把握すること。

検査のみの時はありませんが、普段の診察時はOffice visit summaryという診察の内容や処方された薬(ある場合)の名前、受け取り薬局の名前などが書いてある紙をもらいます。書いてある内容が自分の理解と違った場合はすぐに確認しましょう。院内の薬局を選んだ場合は帰る前に薬局に立ち寄っていきます。

 

ということで病院受診の際の大まかな流れでした。アメリカで日本よりお得な医療なんてめずらしいですからね、どんどん利用していきましょう!