次世代薬局!メールオーダー薬局の仕組み
寒いから外出たくない、仕事が忙しくて薬局に行くヒマがない、薬局での待ち時間が嫌だ、そんな時にアメリカには便利なメールオーダー薬局があります。今回始めて患者側としてメールオーダーを利用してみたのでレポートしてみたいと思います。
メールオーダー薬局とは
ほとんどの場合実店舗は持たず、薬は全て通常の郵便サービスを使って患者宅(希望により職場などへも配送可)へ配送されます。
あくまで調剤薬局ですので、基本的に処方箋が必要な薬のみを扱います。必ず一度はかかりつけ医などから処方箋をもらう必要があります。処方箋に基づいて調剤され、薬剤師の監査を経て薬の説明も電話でされますので、オンラインで市販薬を購入するのとは違います。
メールオーダー薬局の仕事内容
アシスタント、テクニシャン、薬剤師の3種類の職種が働いています。実際の薬の準備はすべて機械で行われます。アシスタントは袋詰めなどの作業や在庫管理、テクニシャンは処方箋の確認や薬の補充などのメンテナンス、薬剤師は相互作用やアレルギー歴など処方箋の最終確認、電話での服薬指導などを行います。
メールオーダーサービスの費用
薬を郵送してもらうんだし送料とかかかるんじゃないの?と思いきや、メールオーダーを使用する方が安いんです。送料は無料で、むしろディスカウントがつきます。私の加入しているプランでは、3ヶ月分の薬を注文すると料金が1ヵ月分割引になります。メールオーダーは人件費をおさえることが出来、他の店舗の無駄な在庫も減らせるため、保険会社はむしろ使用を推奨していることが多いのです。
ただし、3ヶ月分注文してその途中で薬が変更になった場合など返品はできませんので注意してください。といっても返品不可なのはメールオーダーのみではなく、どの薬局も同じです。
注文の仕方
オンライン(薬局の公式Webサイトから大体いけます)、スマホのアプリ、電話、グループ薬局の店頭などから注文できます。ほとんどの場合、グループ薬局がメールオーダー薬局も所有しているというパターンが多いです。必ず自分の保険が使えるメールオーダー薬局であることを確認しましょう。いつも使っている薬局のメールサービスであれば問題ありません。例えば普段Walgreensの薬局を使っている人は、Walgreensのメールサービスであれば使えますが、突然Bartell Drugsのメールサービスを使うことはできません。処方箋はほとんどの場合電子的に送られますので、自分の名前と生年月日、薬の名前が分かっていればそれだけで注文できます。
目安ですが大体3〜5日で手元に届きます。わたしの場合は月曜の夜7時頃注文し、木曜日にはポストに入っていました。処方箋にリフィルが残っていない場合、もしくは処方箋の期限(1年間)が切れている場合、薬局側から処方医へ新しい処方箋を送ってもらうようリクエストを送ります。そのため通常通り注文はできますが、処方箋を待たなければいけないため+2~3日かかります。
内容物
プライバシー保護のため不透明な袋や箱に入って届きます。
開けてみるとこんな感じ。
トラッキングナンバーがついており、一週間以上待って到着しない場合は電話すればトラッキングしてくれます。
服薬指導
注文した薬が初めての服用、最後の服用が一年以上前、もしくは薬物相互作用など注意点があるときは薬剤師から電話がかかってきます。それ以外のリフィルの場合は受け取っておしまいです。説明書は一応毎回入っています。
また、注文した薬が保険でカバーされなかったり、カバーされても$100以上など高額の場合、発送の前に電話で確認の連絡が入ります。
メールオーダーサービスのデメリット
家まで届けてくれる上に料金も安いメールオーダーですが、もちろんデメリットもあります。
郵送できない、もしくは向かない薬もある
これは各薬局のポリシーによるのですが、まれにControlled Substanceなど規制のある薬(日本でいう麻薬など)や、毎回の検査が必要な薬(イソトレチノインなど)といった特定の薬は郵送してくれない場合もあります。市販薬も対象外の場合が多いです。
また、手術後に服用する抗血栓薬や感染症の場合の抗菌薬は郵送が来るまで待っていられませんので、メールオーダーサービスの使用は推奨されません。抗菌薬でも予防的に飲むような薬(たとえば人工関節が入っている方が歯科治療をするときなど)であれば問題ありません。
遅延・紛失・盗難のおそれがある
アメリカの一般的な郵便サービスを利用するため、そりゃもう遅れます。笑
郵便中の紛失や盗難のおそれも十分にありえます。こればっかりはもう運です。また、紛失なども自分から連絡しない限りは追跡等してくれませんので、万一の場合は自分から積極的に連絡をとる必要があります。遅れの場合などはグループ内の他の店舗で数日分調剤してくれる場合もありますが、日数には十分余裕を持って注文するよう気をつけましょう。
通訳が使えない可能性がある
服薬指導が電話越しになるのですが、薬局によっては電話上での通訳サービスがない場合もあると思います。なかなかの勢いでまくしたてる薬剤師が多いので、聞き取りに自信がない場合は初回は店舗での受け取り、同じ薬の2回目以降はメールオーダーなどと使い分けると良いと思います。
というわけでデメリットもありますが、高血圧やコレステロールの薬、アレルギーの薬、低用量ピル、慢性的に服用する痛み止めといった日常的に服用する薬がある場合はとても便利です。薬なんて必要ないに越したことはないですが、機会のある方はぜひお試しあれ~!