意識高い系?薬に詳しいアメリカ人
薬局で働いていると毎日薬の話を患者さんとする訳ですが、日本で働いていた時とだいぶ違うなーと思うのが患者さんの知識量。
血圧の薬、心臓の薬などというカテゴリではなく、薬品の名前がちゃんと言える人が圧倒的に多いです。発音は間違っていても、スペリングはきちんと言えたり、ジェネリック名とブランド名どちらも覚えている人も少なくありません。
一方日本では血圧のための白くて丸い薬、心臓のための貼り薬、などと薬品名以外から推察しなければいけなかった記憶があります。
これ、別に日本人が薬に興味ないとかアホだとか笑、そういうわけではないんですよ。なぜアメリカ人は薬に関して意識が高いのか、考察してみました。
自己責任の国アメリカ
情報収集も自分の責任、不親切?な医療制度
薬はお医者さんや薬剤師さんが管理するものではありません、自分の責任で管理します。しかし日本だとプロに任せた方が安心、お医者さんの言われた通りにすべてやろう、という方が多い気がします。
アメリカでは保険を変えると薬の値段も変わってきます。例えば昔は$30だった薬が、新しい保険では$300になったりします。同じものを使い続けるか、類似薬に変えるか、処方は医師がしますが決めるのは患者本人です。薬剤師は類似薬との違いや値段のことを教えてはくれますが、薬剤師主導でどちらかに誘導することはありません。また、同じ薬お3ヶ月分いっぺんに注文すると保険のプランによってディスカウントがあったりもするのですが、そんな情報も聞かなければ誰も教えてくれません。情報が少なければその分損をしますので、必死になって情報収集をするのもうなずけます。
医療制度については記事参照↓
お薬手帳なんかも日本のサービスの代表的なものだと思います。黙っていてもお薬手帳に処方薬一覧をシールにして貼ってくれます。これ、災害や本人の意識のない時に持病がないか確認できる良い手段ですので、アメリカも取り入れれば良いのになーと思います。ただ、これがあるから自分で覚える必要はない、という方向に行ってしまうことがあるのも事実でしょう。
リフィルシステム
自分の薬は自分で管理する
一般的に、アメリカ人は医者に行く機会が日本人と比べて圧倒的に少ないのが事実。なぜならリフィルシステムのおかげで、医者に行かなくても薬をもらえるのです。
ただし、そのリフィルを薬がなくなる前に注文してとりに行くのは自分の責任。自分で間違った薬を注文してしまった場合も自分の責任です。
オートリフィルという自動でリフィルを用意してくれるシステムや、メールオーダーと呼ばれる家のポストまで届けてくれるシステムもあります。が、もう痛みはないから痛み止めは注文しなくて良いな、血圧の薬はあと1週間でなくなるからそろそろ注文しないと、といった管理は、薬の名前と効用が分かっていないと難しいでしょう。
まぁ、半年前に〇〇先生から処方されたなんかのクリームがまた欲しい、という注文をしてくる方ももちろんいらっしゃいますけどね。。笑
処方薬の広告許可
テレビで糖尿病薬や抗がん剤など広告が流れる
日本では処方箋薬の広告が薬事法で禁止されていますが、アメリカではその規制がありません。副作用の表示義務もあるのか、ものすごい勢いで副作用をまくしたてられますが、繰り返しCMで流れるので知らぬ間に知識も入ってくるのでしょう。
大体そのときにジェネリック名もブランド名も連呼されますので、リシノプリル・ハイドロクロロサイアザイドなどといった長ったらしい薬品名への抵抗も少ないのだと思います。
ものすごく詳しい服薬指導
情報過多?すべての情報を伝えなければいけない薬剤師
薬剤師が服薬指導をする際、専門用語を使わずいかに一般の方に分かりやすく説明するかがポイントです。プロスタグランジンの合成を阻害し痛みを抑えます、といった説明は普通はしません。と、私は日本で教わったのですが。。アメリカでの服薬指導(カウンセリング)はちょっと違います。何かあったときにその情報聞いていない、と言われては困るので、かなり深くまで説明します。
これはアムロジピンというカルシウムチャンネルブロッカーで、血管内皮のカルシウムチャネルに作動して血管拡張作用を引き起こします。と。日本で新人薬剤師さんがこうやって説明してたら止めに行きますけどね、ちょっとちょっとつって。
アメリカでこれで行われるのは、情報の渡し漏れで訴えられたら困るのと、上述の理由から患者さんにある程度の知識が期待できるので、’専門用語’のハードルが低いのだと思います。
ということで、アメリカ人が薬に詳しいのは必ずしもポジティブな理由から来ているわけではないかもしれません。が、すべてを医者まかせにせず自分で把握し、自分から積極的に参加していく姿勢は大事です。薬に関して知りたいことがあったら、どんどん薬剤師に聞いてみると良いと思います。薬剤師は割と勉強家で教えたがりの人が多いですから、利用してくださいね。
薬剤師たちの貢献に感謝しよう週なんてものがあるらしい
ある日マネージャーから来たメール。
The week of October 15th is Pharmacy Week !! We will be having a celebratory lunch on Friday – Oct. 20th.
なにやらファーマシーウィーク、というものがあるそうです。
ちょっと調べてみたらナショナルファーマシーウィークと呼ばれ、うちの職場だけの話ではないらしい。
薬剤師とテクニシャンに日頃の医療業界への貢献を感謝する期間、とのこと。
うちの職場はこういう何だか良く分からないけどなんかのお祝いの日でランチを用意してくれることがぼちぼちあります。ありがたいことです。
マネージャーが ’Happy pharmacy week!' と言いながら怪しげなクッキーを配り歩いてました。
(洞調律!ちなみにカプセル型や白衣型などいろんな種類ありました)
私は早朝出勤だったのでランチ時間が早すぎてサンドイッチが間に合わず、パンプキンパイだけいただきました。
スパークリングサイダー(ノンアルコール)。これ全部シャンパンだったら良かったのに。
うちの旦那の職場は毎週金曜昼過ぎになるとビール飲みながら仕事するそうですが、うちはまだ真面目な職場です。というか業種によるんでしょうね。
今週は大学院面接のため平日休みをもらったので、週末出勤です。
それではまた!
職員用BBQイベントに行ってみたらすごかった話
ちょこっと前に職場のクリニックで職員感謝BBQデーがあったのですが、これがなかなか楽しかったのでレポしたいと思います。
わりと朝から昼過ぎまでやってたんですが(ローテーションで働いてるので昼休憩が10時の人もいれば17時の人もいるので)、当然のように平日、みなさん仕事時間内。患者さんの数が落ち着いた瞬間をねらって食べ物ゲットに繰り出します。
日本だったら仕事終わりとか土日とかにやりそうですよね。こっちで勤務時間外にやったら誰も来なそうだもんなぁ。
で、すごかったポイントを3つほど。
1. ライブミュージックがすごい
朝からなーんか陽気な音楽が聞こえるなーと思ってたんですけど、何がすごいってこれ職員のためだけですからね?!
クリニックの裏にテラスのような開放スペースがあって、全部そこに設置されてるんですが、入口に今日は従業員用イベントやってるから入って来ないでね〜みたいな患者さん用の貼り紙がしてありました。
普通にクリニック内に聞こえてくるレベルで、でも患者さんには気にしないでねーですませちゃうところがおおらかというか何というか、文化の違いを感じました。
2. メニューが不健康すぎてすごい
うちの同僚ちゃん。彼女が野菜嫌いとかそういうわけでは全くなく、ラインアップのうち野菜はバーガーにはさむレタスがすべてでした。
サラダとか野菜焼くとかそういう発想は彼らにはないようです。
そもそもアメリカのBBQは日本と比べてすごくシンプルで、バーガーをグリルで焼いてパンではさめばそれでもうBBQ。運が良いとソーセージもあり、ホットドッグが出てきます。BBQに呼ばれてシーフードや野菜のグリル出されたことは一度もないです。バーガー美味しいんですけどね、完全に肉とパンだけなので、バランスが気になる日本人としてはちょっともんもん。
なので、アメリカ人にBBQ誘われたとき、わーBBQだー!!とあんまりワクワクしすぎるとあれ?となりますので注意です。
アメリカでのBBQに必要なもの
バーガー>バンズ>>ソーセージ>ソーセージ用バンズ>チーズ>チップス>レタス>クッキー>>>>>>やさい?
て感じ。BBQでよく見るものランキングです。
3. アイスクリーム屋台がすごい
トラックとお兄さんごと来ちゃったようです。
好きな味2種類と何スクープ欲しいか伝えるとイケメンお兄さんが盛ってくれます。
必要なものは外注。効率的ですよね。
企画運営は事務方のけっこうえらい人だったのですが、労働力もほぼ外注で、新人に準備を手伝わせたりは一切ありません。さらっと来て食べ物もらって楽しんで帰るだけで、片付けなども何もしなくて良いのでめちゃめちゃ楽です。タダだし。完全にお客様になれるBBQイベントでした。
在米3年の英語力
今日は留学前~現在に至るまでの英語力の推移について、なにかの参考になればと思い記録していきたいと思います。ちなみに私は生まれも育ちも日本の純日本人で、留学前はスピーキングの苦手なよくある日本人の英語力でした。
- 留学準備期間
- 留学中
- 卒業後~就職
- 現地企業就職後~現在
1.留学準備期間
現地の大学に入学する場合、ESL(English as a Second Language)と呼ばれる英語力増強のためのクラスを入学前にとらなければいけない場合と、直接入学できる場合があります。プレースメントテストと呼ばれる試験を入学時に受け、その結果で振り分けられるのですが、英語の資格試験点数によってはテスト如何に関わらずESLをスキップできる場合もあります。
私は授業料と時間を節約したかったので、仕事をやめた後派遣として時短で働きつつ半年間日本で必死に英語の勉強をしました。
留学斡旋会社のすすめで、半年でTOEFLの目標点数(TOEFLiBTで大体60点くらいが目安だと思います)に達するのは厳しいので他に使える資格があればその方が良い、ということでコミカレのWebサイトを調べてみました。
私の行くコミカレは珍しく英検を認めてくれる学校だったため、英検準1級に向けて勉強し、見事合格し渡米となりました。実際この英検への勉強が役立ったかは正直分かりません。
ただ、留学斡旋会社の提供するTOEFL対策クラスに出ていたことはすごく良かった!英語力自体はともかく、クラス内でTOEFL練習問題をみんなで解いていたため、リスニングは全っ然何言ってるか聞き取れないしスピーキングは言いたいことが全然言えないぞ?!というあせりを渡米前に既に経験することができました。英検準1級をとって、ちょっと英語できるようになった気でいたのに、あれ、私の英語けっこうヤバいじゃん、、と気付けたことが留学中の伸びにつながったと思います。
2.留学中
留学初期のあせりと言ったらそれはもうはんぱなかったです。無事大学に直接入学できたは良いものの、医療系専攻する留学生はあまりおらず、クラスメイトは現地在住の英語ネイティブばかり。誰かのヘルプなしには授業でやっていけなかったので、クラスメイトの中から面倒見の良さそうな人を見付け出しつかまえる技術が向上しました。
授業の予習復習課題をこなす他に、TVドラマのフレンズを繰り返し見、使えそうなフレーズを書き出し後に続いて言ってみる、という作業を毎日していました。
私のスピーキング力はほぼフレンズで構成されていると言っても過言ではない。
結局語学の習得には地道な反復練習しかないんだな、と実感した頃。
3.卒業後~就職
1年間たって卒業する頃、今後の大学院への進学も考慮しTOEFLを受けてみました。初めて受けたスコアは80点、単語力を強化し3ヶ月にもう一度受けたときは94点でした。ディスカッションが盛り上がってくると入っていきにくいものの、授業には普通についていけるレベルの点数だと思います。教科によってはあれ、何これ簡単じゃん、という授業もあったくらい。
現地の就職活動を乗り切っていけるラインにもなんとか達したところ。電話面接は苦手でしたが。レジュメを送りまくり電話面接をなんとか乗り切り、対面の面接を経て採用となりました。この頃ホームステイからルームシェアに移りましたが、どっちにしろアメリカン人だったので特に言語環境は変わらず。
4.現地企業就職後~現在
就職したのは完全に現地の病院で日系のカスタマーなどもほとんどいなかったので、日本語を話す機会はゼロ。たまーに分からない単語に出くわすけど、ささっとGoogleして事なきを得ていました。在学中のインターンで専門用語が学べたのが良かったのだと思います。
現在の英語力は、、数値にできるものがないので難しいのですが、英語だけを使って働いて特に問題はない程度。ただ、エッセイなど書いて英語ネイティブに見せるとものすごい勢いでダメ出しをくらいます。
また、PCATと呼ばれる薬学部共通入試のようなものを数か月前受けたのですが、化学、生物、数学とものすごい良い点をとり、ReadingとWritingでゴミのような点数をたたき出した結果(Writingは6点満点で2点をとりました)、合計は平均よりほんの少し上程度でした。
英語ネイティブに比べると書く文章が幼稚で説得力がない、そして文章を読むのが圧倒的に遅い、というのが現在の実力だと思います。
ということでまだまだ改善の余地はありまくりますが、アメリカ人の同僚と雑談もできるし日常生活では何の不便もない程度の英語力です。ちなみに短期間でしたが日本人向けオンライン英会話講師の経験もあります。
もちろん1年でこのレベルに達する人もいれば5年かかる人もいると思いますが、純日本人が大人になってから実用可能な英語を身に付けることは可能ですよ、という話です。
英語学習の具体的な方法については、別の機会にまた書きたいと思います。